外貨預金って…
日本の定期預金の利率がアホみたいに低いので外貨預金について調べてみた。
とりあえず知っておくべき用語は、次のものくらいらしい。
TTS: 円 → 外貨 にするときのレート(外貨単位) たとえば 1米$ = 105.0円
TTB: 外貨 → 円 にするときのレート(外貨単位) たとえば 1米$ = 103.0円
税金: 利息で得た額の 20% (国税:15% + 地方税:5%)
見てのとおり TTS > TTB になっているので、単に 円 → ドル → 円としただけで、1米ドル当たり2円損する。
確かに利率は日本よりいいが、この円 ⇔ 外貨 の交換によって目減りするから、利益は見た目の利率よりはかなり少ない。
さらに為替変動で円高になると、元金割れを引き起こす可能性もある。
どのようにすれば損を最小限に抑えられるかはおいといて、まずはどの通貨が有利かを計算してみよう。
まず元金を x(円)とする。預金したときの利率を p、TTS, TTBをそれぞれ r_s, r_bとすると、
税引き後の利息分:i は
i = x / r_s * p * 0.8 (外貨)
よって、満期後の額:y(円)は
y = (x / r_s + x / r_s * p * 0.8) * r_b = x / r_s * r_b * (1 + 0.8p) --- (1)式
これが、最初の預金額より多ければいいので
delta y = y - x = x / r_s * r_b * (1 + 0.8p) - x > 0 ∴ r_b * (1 + 0.8p) / r_s > 1 --- (2)式
(2)式の左辺を alpha とおこう。この値を今日(2005/02/09 15:00頃)の東京三菱銀行のレートで計算してみる(1年定期の場合)。
アメリカドル: alpha_us = 104.69 * (1 + 0.8*0.0144) / 106.69 = 0.99256 イギリスポンド: alpha_p = 191.95 * (1 + 0.8*0.0276) / 191.95 = 0.98119 :
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通貨 TTS TTB 利率 alpha ------------------------------------------------- アメリカドル 106.69 104.69 1.44 0.99256 イギリスポンド 199.95 191.95 2.76 0.98119 スイスフラン 87.39 85.59 0.01 0.97948 ユーロ 136.4 133.4 0.37 0.98090 オーストラリアドル 82.9 78.9 3.37 0.97741 ニュージーランドドル 75.87 71.87 4.36 0.98032となる。見てのとおりすべて1より小さい! つまり、外貨預金をすると損をするという結論だ(ぉぃぉぃ) しかし、実際には r_b は満期を迎えたときのレートなので、日本円に戻すと利益が出る値がある。 今度はこれを計算しよう。 (2)式をr_bについて解くと、
r_b > r_s / (1 + 0.8p) --- (3)式この(3)式を、各通貨について計算すると、(レートは先と同じ東京三菱銀行のレートを使う)
通貨 TTS 利率 TTB(r_b)
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・外貨預金によって、利益が出るかを判定する式は、 alpha = r_b * (1 + 0.8p) / r_s > 1 ここで、r_s:TTS r_b:TTB p:利率 ・TTBがいくつ以上のときであれば、損をしないかを判定する式は、 r_b > r_s / (1 + 0.8p) ・円と外貨を交換するたびに手数料が発生するので、交換の回数は最小限にする。 そのため、定期の利息は元金に加えるか、外貨普通預金にしておく。 ・TTBが上がったときに、一気に日本円に交換する。 ・元金は外貨のままにする。へたに日本円もどしてしまうと元金割れを起こす。 ・外貨預金の魅力、それは利率ではなく為替変動による差益だ!こんなとろこか。外貨預金ってあんまり魅力ないね。